砂糖よりもカロリーが低いけれども、充分な甘さがあって甘味料としても人気の高い「オリゴ糖」。ヨーグルトや紅茶などに入れる人もいるでしょう。今回はオリゴ糖が私達の身体にどのようなメリットを与えるのか、妊婦さんや赤ちゃんにとってもメリットがあるのかをまとめてみました。
オリゴ糖とは
便秘改善や整腸作用があると言われているのはオリゴ糖の中でも難消化性オリゴ糖として分類されるものです。難消化性オリゴ糖は糖質の一種で、腸内で善玉菌のエサになることから、腸内環境を良くしてお通じを良くしてくれるのです。難消化性オリゴ糖の中にもいくつかの種類があり、それぞれに種類によって微妙に効果が異なります。また、オリゴ糖のほとんどはは食べ物に含まれる天然物質であり、妊娠中や子育て中のママはもちろん、小さなお子さんでも安心して食生活に取り入れることができます。
ガラクトオリゴ糖
ママの母乳や牛乳、サトウキビなどに含まれるガラクトオリゴ糖は、腸などの消化器官でビフィズス菌を増やし整腸作用を促します。熱や酸に強く、調子や保存の過程で破壊されたり変化することが少ないのも特徴です。そのため、私達の身近にあるさまざまな食品に利用されています。消費者庁により規格基準型特定保健用食品(トクホ)に認定され、健康食品にも幅広く活用されています。
キシロオリゴ糖
キシランという食物繊維の一種である酵素を分解して作られているのがキシロオリゴ糖です。身近な食品では、タケノコやトウモロコシに含まれています。ガラクトオリゴ糖同様に、ビフィズス菌増殖活性の働きをもち腸内環境を整え便秘改善に効果が期待できます。また、カルシウムの吸収を促進する効果も期待できるためカルシウム不足が気になる妊娠中・授乳期のママにもおすすめです。
ラフィース
ラフィノースは北海道が特産の甜菜(ビート)から抽出・精製されたオリゴ糖です。別名「てんさい糖」とも呼ばれています。てんさい糖は市販の白砂糖に比べてカロリーが低い他、身体を暖める効果もあります。
フラクトオリゴ糖
野菜やフルーツの中に含まれる酵素によりフラクトオリゴ糖が作られ、蓄積されていきます。にんにくや玉ねぎと行った野菜を中心に、ヤマゴボウや食用たんぽぽにも含まれているようです。赤ちゃんのおやつに人気の高いバナナにも含まれていて、その量は1本90gあたり0.3gほどです。砂糖に比べてカロリーが半分で、1gあたりおよそ2kcalです。
乳果オリゴ
乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)とも呼ばれています。天然の成分から取り出すことは非常に難しく、実際は牛乳の乳糖とサトウキビのショ糖を原料に、酵素反応を利用して作られています。他のオリゴ糖同様に高いビフィズス菌増殖機能を持つことから整腸作用にも効果的です。砂糖に近い甘みがあるため、カロリーオフ食品に使われています。
オリゴ糖の効果について
上記で紹介した難消化性オリゴ糖を含めたオリゴ糖全般の効果についてまとめてみました。
腸内環境を整え便秘を改善
オリゴ糖は他の糖類と比べ胃や小腸で消化吸収がされにくい特徴があります。そのため大腸まで届いたあとは腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌の活性化を促進します。整腸作用によって、便秘改善・生活習慣病の予防・免疫力を高める・肌の状態を健康に保つ効果が期待できます。また、腸内に老廃物が溜まると、身体にも影響がでてきます。腸内環境を整えることで、細菌やウィルス・老廃物を排出し、免疫力や美肌を保つ効果が期待できます。
カルシウム・ミネラルの吸収率を高める
腸内環境を整えることで、カルシウムやミネラルの吸収率が高まります。牛乳やヨーグルトなどの乳製品にはカルシウムが含まれているので、オリゴ糖と一緒に摂取することでカルシウムの吸収率がアップします。骨密度を保つことで、将来的に骨粗しょう症予防につながります。その他のカルシウム不足による症状についてはこちらでまとめています。
低カロリーでダイエットをサポート
オリゴ糖の魅力の一つは、甘みがあるのに砂糖に比べて低カロリーであることです。市販の上白糖などの砂糖と比べると、約半分と言われています。料理に使う甘味料をオリゴ糖に変えることで、摂取カロリーを下げることができます。1日だけで考えると下がる摂取カロリーは微々たる量かもしれませんが、毎日の積み重ねで考えると着実に効果があります。絶賛ダイエット中のママは、これを機会に家の砂糖をオリゴ糖に変えてみてはいかがでしょうか?
虫歯を予防
甘いものを食べると虫歯になりやすいと言われているとおり、砂糖が含まれる食品には歯を溶かしてしまう酸を多く発生させてしまします。オリゴ糖には歯を溶かしてしまう酸は発生しないため、同じ甘味料でも砂糖よりも虫歯を予防できると言われています。子供用のおやつを作る時は、砂糖ではなくオリゴ糖を使ってあげると虫歯予防になりますね。
オリゴ糖との付き合い方・調理方法など
オリゴ糖は低カロリーで健康的な甘味料ですが、あまり過剰に摂取すると下痢の症状が出たり逆に身体に害を与えることがあります。メーカーによって1日の制限摂取量は異なりますが、だいたい10g前後(スプーン1杯程度)が良い効果が出やすい量のようです。1度に大量に摂取するのではなく、毎日少量ずつを続けていくことで健康な身体づくりにつながります。
定番はヨーグルトと
オリゴ糖は腸内のビフィズス菌を増殖させる働きをもっているため、ビフィズス菌を豊富に含むヨーグルトとは相性抜群です。プレーンヨーグルトにオリゴ糖とフルーツグラノーラを入れて食べれば、とっても美味しくて健康的な朝食が出来上がりますよ。
味噌や醤油と一緒に調理する
味噌や醤油といった植物性乳酸菌との相性も良く、オリゴ糖と乳酸菌によって腸内環境の改善が期待できます。他にも植物性乳酸菌の発酵を利用したキムチなどの食品と一緒に調理することで吸収率を高めます。
スムージーにも
野菜が苦手という人は、野菜や果実をスムージーにして、オリゴ糖の甘さを足すと野菜独特の苦味も減り飲みやすくなります。生野菜に含まれるビタミンやミネラル・食物繊維といった栄養もとりやすくなります。
肌寒くなると、体を温めて眠りたいものです。冷え性ひつじは、寝る前にオリゴ糖入りホットミルクを飲みます。以前までは、はちみつを入れて飲んでいましたが、はちみつよりもオリゴ糖の方が栄養価が高いので、オリゴ糖に変えました。ほんのり甘い味に癒やされたあと、布団に入ると熟睡できます。
オリゴ糖はこんなところに使われている
砂糖を使うよりもカロリーを抑えられるため、さまざまな食品に使われています。下記はその一例です。
- アイスクリーム・プリン・ゼリー
- ケーキ・クッキー・カステラ
- キャンディー・キャラメル・ガム
- 煮豆・佃煮
- 焼肉のたれ・麺つゆ・ドレッシング
- スポーツ飲料、清涼飲料水
- ヨーグルト等の乳製品 … などなど
おすすめのオリゴ糖
カイテキオリゴ
昔からオリゴ糖商品として販売されていて、ネット通販で最も売れているオリゴ糖がこの「カイテキオリゴ」です。オリゴ糖が腸内に含まれる善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える手助けをすることは前段で説明しました。このカイテキオリゴは体内にいる30種類以上の善玉菌(ビフィズス菌)のほぼ全てをまんべんなく活性化できるように、独自の「EOS(イオス)理論」と呼ばれる考え方に基づいて複数のオリゴ糖を組み合わせて作られています。価格は1袋150gで2,270円〜で他のオリゴ糖商品と比較すると割高ですが、高純度・高品質なオリゴ糖を求めている方・腸内環境を整えて便秘を改善するためにオリゴ糖を検討している方にはイチオシのオリゴ糖です。
はぐくみオリゴ
カイテキオリゴよりも後に発売され、最近特に注目を浴びているオリゴ糖商品です。はぐくみオリゴは1袋150gで初回限定1,840円で、やや割高に感じるかもしれません。しかし、他のメーカーに比べてオリゴ糖の純度が高く、上記で紹介した難消化性オリゴ糖の5種類が含まれているので、効率よくオリゴ糖のメリットを取り入れることができます。はぐくみオリゴは粉末状ですが、水分には比較的溶けやすいので、ヨーグルトだけではなく料理や飲み物にも入れやすいです。赤ちゃんが便秘気味のときも、離乳食に混ぜて与えてあげると翌日スッキリしますよ。メーカーの情報では、10gあたり27.68kcalで100gに換算すると276.8kcalになります。砂糖の約半分のカロリーなので、カロリーコントロールが気になる産後のママにもおすすめです。
てんさいオリゴ
オリゴ糖の種類はラフィノースです。500gタイプと1kgタイプの2つがありますが、スーパーやドラッグストアにはだいたい1kgタイプしか売っていません…。私自身も以前に購入したことがあり、はちみつの代わりにパンやホットケーキにかけて食べていました。気になるカロリーは100gあたり295kcalで、オリゴ糖は7.6~12.0g含まれています。ちなみに、はちみつは100gあたり294kcalですがオリゴ糖は含まれていないので、体質改善を意識するのであればオリゴ糖のほうが身体に良さそうです。
500gタイプ
1kgタイプ
オリゴのおかげ
オリゴ糖の種類は乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)で、実家で母が使っているのを機に私も使ってみました。シロップ状でだまになりにくいので、煮物や無糖ヨーグルトに入れて使っています。赤ちゃんの離乳食の味付けとして使うのもおすすめです。甘さも砂糖の約80%程度で、一般的な砂糖と同じような使い勝手で使えます。気になるカロリーはメーカーによる成分表示状、1gあたり2.3kcalなので、100gあたりに換算すると230kcalです。てんさいオリゴよりカロリーは低めですね。乳果オリゴ糖は約30%含まれています。
カルシウム吸収促進機能がプラスされたダブルサポートタイプもあります。オリゴ糖の配合率も40%でダブルサポートタイプの方が若干多いです。但し栄養配合率が高い分、甘さは控えめで砂糖の約半分の甘さです。
ひつじのまとめ
今回は低カロリーで身体に優しい甘味料である「オリゴ糖」にフォーカスしてみました。実は、もともと結婚前に実家で生活していた時も、白い砂糖ではなく「オリゴ糖」がお家の標準甘味料だったので、私にとっては昔から馴染みのある甘味料だったりします。- 整腸作用があるのは難消化性オリゴ糖
- オリゴ糖は天然成分なので妊婦さんや授乳中のママ、赤ちゃんにも安心
- とくに赤ちゃんの離乳食では、砂糖の代わりに使うことで虫歯予防にもなる
- 少量を毎日続けることで、将来的に健康な身体つくりにつながる
ノンカフェインティーに甘さを足したい時にも、オリゴ糖はおすすめですよ。もちろん過剰摂取は身体へ悪影響を及ぼす可能性がありますが、1日スプーン1杯程度の量で、むしろあれば健康に良いと言われています。毎日、特に意識せずに砂糖を使い続けていたママは、これを機会にオリゴ糖への置き換えをぜひ検討してみてください。