妊娠中に摂取したいと言われる栄養素の中でも、カルシウムは赤ちゃんの骨や歯を生成するためにも重要な役割を持っています。今回はカルシウムの働きやその効果についてまとめました。育児中ママは子育てによる束縛や忙しさで、どうしてもイライラしがち…。イライラしてパパに八つ当たりしないためにも、しっかりカルシウムの栄養を補いましょう!
カルシウムとは
今までののんカフェのお話でもちょくちょく触れてきましたが、カルシウムとはミネラルの一種です。体内のカルシウムは99%が骨と歯の成分として、残りの1%が血液や筋肉・神経に含まれます。カルシウムは骨を作るというイメージが強いのは、骨の中にカルシウムが貯蔵されているからです。その他の効果としては、筋肉を収縮したり、神経伝達物質を放出して神経の興奮や緊張を和らげたり、血液凝固の作用があります。
カルシウム不足によって起こる症状
骨粗しょう症
体内のカルシウムの1%にあたる血液中のカルシウムを、機能カルシウムと呼びます。カルシウムを摂らない生活が続くと機能カルシウムが不足する減少が起こるのです。血液中の機能カルシウムの低下によって、カルシウムの代謝の仲立ちをする副甲状腺ホルモンが骨に働きかけます。骨からカルシウムを放出する状態が長く続くと、骨の密度が低下する骨粗しょう症になるリスクを招きます。
高血圧
骨や歯から溶けたカルシウムが血管の細胞内に蓄積され、動脈を固くしてしまうと言われています。そのため、動脈が固くなることで生じる高血圧を引き起こす可能性が高いのです。
イライラ
神経伝達物質を放出して神経の興奮や緊張を和らげる効果があるカルシウムが不足すると、神経が不安定になりイライラすることがあります。これはカルシウムとマグネシウムによって行われるとされており、マグネシウムは血液中のカルシウムが一定の場所に蓄積しないようにしているためです。マグネシウムとのバランスは カルシウム:マグネシウム = 2:1 がベストです。
妊娠中とカルシウムの関係
妊娠中は、胎児の骨や歯を作るためにたくさんのカルシウムが必要になります。ママの血液中のカルシウムが不足すると、ママの骨や歯に蓄えられていたカルシウムが使われ、それがさらに胎児へ届けられます。骨や歯からカルシウムが溶け出すことでママの骨密度が下がるため、将来的に骨粗しょう症などの骨の病気を招くリスクが高まります。
産後の育児生活とカルシウムの関係
母乳育児の場合も妊娠中と同様、血液中のカルシウムが不足すると骨や歯のカルシウムが溶け出します。骨密度が低いままだと妊娠中と同様に骨粗しょう症になるリスクが高まります。それに合わせて忙しい育児中には些細なことにもイライラしている…というママも多いのではないでしょうか。少なからずカルシウム不足が原因のイライラかもしれないので、産後も積極的にカルシウムを摂取しましょう。
カルシウムの多く含まれる飲料・食品
カルシウムの1日の必要摂取量は女性の場合650mg(妊娠中も授乳中も同じく)です。カルシウムは主に乳製品や、骨ごと食べられる魚、葉野菜に多く含まれています。
100gあたりのカルシウム量
- 牛乳 … 110mg
- 煮干し … 2200mg
- ししゃも … 350mg
- モロヘイヤ … 260mg
- 小松菜 … 150mg
その他の栄養が偏らないように、バランスの良い食事を心がけましょう。同じ牛乳でも、カルシウムや葉酸入りといったタイプも販売されています。グラノーラやオールブランなどと一緒に食べると他の栄養も一緒に摂取できますよ。それにしても、煮干しなど小魚に含まれるカルシウムの量はすごいですね…!(後述しますが、カルシウムの摂り過ぎは摂取上限に引っかかる可能性があるので注意が必要です。)
のんカフェで紹介したカルシウムが含まれている飲料・食品
のんカフェではこれまで数多くのノンカフェイン飲料や健康志向の食品を紹介してきました。過去に紹介した中では、黒豆茶、どくだみ茶、チアシード、スムージーにカルシウムが含まれています。
どくだみ茶にカルシウムと聞くと意外に感じるかもしれませんが、どくだみにはミネラル豊富でその中にカルシウムやミネラルが含まれているのです。
黒豆茶にも大豆イソフラボンが含まれているので、大豆製品と同じと考えると納得ですね。
スーパーフードで知られるチアシードには、食物繊維とミネラルがたっぷり。ミネラルの中には、カルシウムも含まれています。
スムージーは種類にもよりますが、カルシウムが含まれているものも多いです。また、牛乳や豆乳で割ってスムージーを作れば、野菜の栄養と合わせて更にしっかりカルシウムを摂取できますよ。
授乳中のママは牛乳を飲んでも大丈夫?
牛乳にカルシウムがたくさん含まれていることは有名ですよね。でも、授乳中のママは飲んで大丈夫なのでしょうか。乳製品を摂りすぎると、乳製品の中に含まれている脂肪分によってママの母乳が詰まって母乳の出が悪くなる可能性があります。もちろん、牛乳も例外では無いのですが、牛乳はバターや生クリームなどと比べると含まている脂肪分が少ないため、1日に1杯程度であれば問題無いと言われています。私は授乳中の朝食に牛乳をかけたフルーツグラノーラを毎日食べていましたが、それが原因で母乳が詰まるような事はありませんでした。
カルシウム・鉄分・葉酸に特化した牛乳も発売中
通常、牛乳にはカルシウムが含まれていますが、さらに鉄分や葉酸などの栄養も効率よく摂取するために作られた牛乳があります。通常の牛乳よりも多くカルシウムを摂れたり、鉄・葉酸・ビタミンDの補給を考えて我が家では下記の牛乳が御用達です。
雪印メグミルク毎日骨太
200mlあたりのエネルギー82kcal、カルシウム340mg、ビタミンDは2.75μg配合されています。低脂肪乳ということもあり、通常の牛乳に比べてカロリーも低く、カルシウムが多く配合されているのが特徴です。
雪印メグミルクすっきりCa鉄
その名の通り、カルシウムと鉄分を効率よく摂取できるタイプの牛乳です。200mlあたりのエネルギー74kcalで毎日骨太に比べると少し低くくなっていますが、カルシウム(340mg)ビタミンD(2.75μg)と同数値が配合されています。鉄:3.4mg、ビタミンB12:1.2μg、葉酸:120μg含まれています。毎日骨太に比べるとさっぱりした味わいなので、飽きがこないこともあり、ひつじはこれが1番好きです。
明治ミルクラブ
上の2種と一緒にスーパーで手に入りやすいのが明治ミルクラブです。200mlあたりのエネルギー90kcalと若干カロリーは高くなっていますが、カルシウム350mgと鉄3.8mgはそれぞれ数値が高くなっています。ちなみに葉酸は100μg含まれています。
カルシウムはサプリメントでも摂取できる
カルシウムは食材からはもちろんですが、サプリメントでも摂取することができます。特に女性は男性に比べて体質的に骨粗しょう症になるリスクが高いので、ご高齢の方を中心にサプリメントで積極的にカルシウムを補っている方も多いです。年齢が若い内は、普段の食事で意識してカルシウムを取っていれば大丈夫でしょう。加齢に伴って、骨の中にカルシウムを蓄える力も弱くなってくるため、身体の不調やコンディションの変化を感じ始めたらサプリメントで栄養を補う事も検討してみてください。
カルシウムには過剰摂取による人体への影響があり、1日の摂取上限が設けられています。成人女性の摂取上限は2,500mgです。上限を超えると健康にも影響が出てくるので注意が必要です。カルシウムを摂取し過ぎると、泌尿器系結石・他のミネラルの吸収抑制のリスクが上がります。いくら身体をつくる・身体に良いとはいっても、何事もほどほどが大事ですね…。
ひつじのまとめ
最後に今回のカルシウムのお話についてまとめます。- カルシウム不足のリスク … 骨粗しょう症、高血圧、イライラ
- カルシウム過多のリスク … 泌尿器系結石、他のミネラルの吸収抑制
カルシウム不足は健康リスクが高いため、妊娠中や産後には積極的な摂取が必要です。しかし、過剰摂取によるリスクや副作用もあるので、摂取量を上回らないようにしましょう。